ウイルス学専門家のコメント

ウイルス・菌感染症予防意識
とマスクの使用実態について

今回の調査結果で、現代の日本人は高い衛生意識を持っていることに驚きました。しかし、マスクの正しい使用方法を知っている人は少ないようです。

坂口 剛正 教授

(さかぐち たけまさ)

広島大学大学院 医歯薬保健学研究院
基礎生命科学部門 ウイルス学研究室

坂口剛正 教授

マスクは感染症予防手段のひとつとして有効ですが、正しく使用しなければその効果を充分に発揮できません。

マスクによる感染症予防の有効性

インフルエンザウイルスは主に飛沫感染で伝わるので、マスクの着用は感染予防として有効です。
また、人は1日に何回も鼻や口に手をやりますので、手に付いたウイルスが接触感染の原因になります。
マスクをしていると間接的に接触感染を防ぐことができるため、この点でも有用です。

マスクの正しい使い方

マスクには飛沫感染を防ぐという目的があるので、ウイルスの侵入経路である鼻と口をできるだけ空気の漏れがないように覆うようにしましょう。
また、使用しているマスクのフィルター部分の外側には、ウイルス・菌などの病原体が付着していると考えるべきです。そこで、使用中やマスクを外すとき、口周りを覆うフィルター部分は触らないことが大切になります。マスク使用前に、マスクに防菌のスプレーをすることも、ウイルス・菌の付着を防ぎ効果的です。
さらにマスクを外した後で手を洗えば、感染予防になります。

マスクを取り換える頻度

不織布マスクは原則として使い捨てであり、1日1枚程度の使用が目安です。2日以上使用することは推奨しません。2日以上の使用は、ウイルス・菌などがマスク表面に多く付着していると考えるべきであり、それを広げてしまうかもしれません。
またフィルターの劣化によって予防効果が薄れるだけでなく、臭いなどの不具合も起こります。

マスクの着脱時における注意点

着脱する際には、マスクの表面に付着しているウイルス・菌などの病原体を意識する必要があります。また、外したマスクを置く場所や保管した場所にはウイルス・菌などが付着する恐れもあります。
一時的に外したマスクを置く場合は、マスク専用の入れ物に保管したり、可能であれば、再装着時に消毒スプレーを使用したりするのもよいと思います。

ウイルス・菌感染症予防のためのマスク着用3カ条

  1. マスクと顔の間に隙間を作らない。
    マスクと顔に隙間を作らないことでウイルスの侵入を防ぐ
  2. ウイルスが付着しているマスクの表面に触らない。
    マスクの表面に付着しているウイルスを触って広げない
  3. マスクへのウイルスの付着を防ぐ。
    マスク用防菌スプレーなどを活用して、マスクにウイルスを寄せ付けない

出典:エーザイ株式会社「マスクに関する意識・実態調査」リリース2012年12月19日より

文責:からだにいいこと