ノロウイルスとは

ノロウイルス感染症の原因となるノロウイルスについてご紹介します。

人の腸管でしか増殖しない小さな球形のウイルス

ノロウイルスは1968年に米国オハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者の糞便から発見され、発見された町の名前を冠して「ノーウォークウイルス」と呼ばれました。その後、ウイルスの中でも小型で球形をしていることから「小型球形ウイルス」と名付けられ、2002年国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。
ウイルスの詳しい研究を行うには、培養した細胞や実験動物に感染させ、ウイルスを増殖することが必要ですが、ノロウイルスは培養細胞や実験動物、食品中で増殖することはなく、人の腸管内でしか増殖しないため、ウイルスを分離して特定することが困難です。そのことが、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものにしているといわれます。

酸やアルコールに強く、高温と次亜塩素酸ナトリウムで不活化

ノロウイルスは非常に安定したウイルスで、水中では4℃で2ヶ月、室温で2週間、37℃でも1週間は感染性を保つといわれます。また、酸にも強く、pH3の溶液中でも3時間以上安定しており、胃酸をものともせずに腸に到達すると考えられています。
また、塩素消毒に抵抗性があり、水道水(0.1ppm)やプール(0.4ppm)程度では失活しません。アルコール消毒にも抵抗性があり、病院で感染予防に用いられる70%アルコールによる消毒では不活化しないことが確認されています。

一方、次亜塩素酸ナトリウムは濃度200ppmでは5分間、1000ppmでは1分間程度浸すことによって、ノロウイルスをほぼ不活化させる効果があるといわれています。また、85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性は失われるとされています。

出典:ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)、広島市保健所「ノロウイルス食中毒を防ごう!」、広島県地域保健対策協議会「ノロウイルス対策マニュアル」、予防から治療まで見つかるEisai.jp「続 他科医に聞きたいちょっとしたこと」

文責:からだにいいこと